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2017年1月25日水曜日

エストニアe-residency「電子居住権」は小国の生命線と日経 沖縄の生命線は?

エストニアの首都タリン


最近、個人的に注目しているエストニアのe-residencyについて、昨日の日経新聞夕刊で取り上げられていました。

電子居住権 小国の生命線
エストニア 行政サービス、自国民並みに 投資誘致を促進 ロシア脅威備え
2017/1/24付日本経済新聞 夕刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO12043610U7A120C1EAC000/

増加するエストニアの電子居住者


日経はe-residencyを「電子居住権」と呼んでいるみたいですね。2014年12月に始まったエストニアの電子居住ですが、記事によると、2016年12月の時点では電子居住者は15,000人を超え、 電子居住者による会社設立数は1200社、会社保有は約2400社と、全体の5%を占めるまでに増加したとのこと。

これまでも電子居住者は増え続けてきましたが、イギリスではEU離脱が決定してから申請が10倍に増えたそうで、世界中の国が保護主義に向かっている状況の中で、EU圏内へのアクセスのゲートウェイとしてのエストニアの存在感は増して来ているように思えます。アメリカがトランプ大統領のもとで保護政策をとった場合、今度はアメリカからエストニアに電子居住し、会社を設立するケースが増えてくるのではないでしょうか。

エストニアは国防のため、世界中の資本やビジネス、政治家などをe-residencyおよびその他のe-estoniaサービスを利用して取り込もうとしています。また、領土を失った場合は現在の国民全体がそのまま電子居住者となり領土がなくとも政府・国民が維持されることまで想定しています。日本の場合はどうでしょうか?

沖縄独自の安全保障として電子居住を導入してみては


日本は小国ではなく、またこれまでセンサー網構築などの高度な防衛体制を作り上げてきたこともあり、現在のところ軍事力で防衛することに不安はありません。しかし20~30年後には中国が日本の10倍の国力を源泉に、軍事力を強化して日本の領土を奪うことは、現実にあり得ることです。中国はこれまでネパールやブータン、キルギス、ベトナム、フィリピンなどから領土を奪ってきており、現在もその流れはずっと続いています。

沖縄は、現実的に領土が他国に奪われることがあり得るということを考えなくてはいけないでしょう。それを防ぐためには、経済発展して世界中の大企業の事業や資本を取り込んだり、高度な研究拠点としての立場を確立したりといった、世界にとって重要な場所としての発展を目指していかなくてはいけません。現実的に沖縄やその一部が奪われたときに、沖縄のアイデンティティをどこか別の場所にバラバラに住んだとしても維持していくことも重要です。

沖縄では5年に一度の「世界ウチナーンチュ大会」として沖縄県系人が集まるイベントがあり、昨年は10月下旬に行われましたが、海外から7,000人の沖縄県系人が集まったそうです。また、海外の沖縄県系人は2016年10月時点で41万5361人とされています。

世界ウチナーンチュ大会の閉会式で撮影した写真

こういった人々の中には、経済的困窮であったり、さまざまな外的要因から世界中へ行っている人も多いです。この人たちや、国内の沖縄県外に住む沖縄出身者などがもし、沖縄に「電子居住」することができれば、経済効果や安全保障への効果が期待できないでしょうか?これだけ多くの沖縄県系人が世界中にいるという状況は、エストニアよりも一気に電子居住者数を増やすことが可能な状況ではないかと思えるのです。

日本と米軍が沖縄を支え続ける状況がいつまで続くかわかりませんし、可能ならば米軍や自衛隊がなくても安全、という状況のほうが良いに決まっています。20年後、30年後の沖縄の生命線をどこかで確保することが必要だと思います。

2017年1月4日水曜日

マイナンバーカードの保険証利用はエストニアの10年遅れ。沖縄先行で普及を

読売新聞は、政府は2018年にもマイナンバーカードを保険証代わりに利用できるようにする方針を固めたと報じました。

病院でもマイナンバーカード、保険証代わりに 

政府は、2018年度にマイナンバーカードを健康保険証として 利用できるようにする方針を固めた。
患者の本人確認を迅速にし、医療事務の負担を軽減するとともに、 カードの普及を図る。厚生労働省が17年度当初予算案に、 システム構築の関連費用などとして243億円を計上した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170102-OYT1T50086.html


これは2013年のIT総合戦略本部の工程表にも書かれており、2014年6月3日に開かれた第64回会合での安倍首相の発言にも沿った内容であり、既定路線ではあると思います。


他の証明書もどんどんマイナンバーカードに統合される?



工程表には「健康保険証」の他にも

  • 地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人等の職員証、民間企業としての社員証としての利用促進検討
  • キャッシュカードやデビットカード、クレジットカードとしての利用やATM等からのマイナポータルへのアクセスの実現に向けた民間事業者との検討
  • 行政が発行する各種カード(印鑑登録者識別カード、施設利用カード等)との一体化
  • 各種免許等における各種公的資格確認機能をマイナンバーカードに持たせることについて、その可否も含めて検討を進め、可能なものから順次実現

 などが書かれており、2021年までにはこれらのを実施するような書かれ方になっています。



つまり2021年までには健康保険証だけでなく、

・運転免許証
・住基カード、住民登録カード、印鑑証明カードなど
・危険物取扱者免状、無線技術士免状など資格証

などなど、いろいろな資格の免許証が可能な限り2021年までにマイナンバーカードへ一元化されていくというのが、現在の政府の方針ということになります。

「電子政府先進国」エストニアが全ての前例として存在する


政府のマイナンバー活用についての検討の経緯を見ていると、やはりエストニアの事例が頻繁に出てきます。人口約131万人で、しかも発展途上国であるエストニアが上がってくるのは、やはり電子政府の分野では間違いなく最先進国だからです。10年前の2007年には健康保険証としての利用が可能になっていますし、電子処方箋や日本の「おくすり手帳」に相当する機能も含まれています。運転免許証や、選挙への投票券としても利用されています。

マイナンバーカード活用に関することは、はっきり言ってエストニアのeIDカードと同じことをやればいいだけ、と言っても過言ではありません。セキュリティに関してもエストニアの方法が成功していますので、真似をすれば、あるいはエストニアの仕組みをそのまま導入すれば良いのです。エストニアは国に資源がなく、何もなかった状態から生き残るためにICTを発展させました。日本は今まさに直面する経済と財政の弱さという事態に立ち向かうためにICTが必要です。

日本のマイナンバーの制度設計上の失敗のひとつが、マイナンバーを隠さなければならない仕組みです。エストニアでは国民ID番号は隠すことは特に意識されておらず、その前提でセキュリティ対策がなされています。マイナンバーカードでの電子認証がなければマイナンバーに紐付いた情報を利用できないといった仕組みに切り替え、マイナンバーを隠すために企業や行政が多大なコストをかけている現状を改めなければ、逆に日本全体の生産性が下がる危険性すらあります。

日本のマイナンバーの仕組みは、もっとエストニアの前例に素直に従った方が良いと思います。

カードの普及率を上げるための思い切った決断が必要


マイナンバーカードの普及率は約8%で、今回の健康保険証についてもカードの普及率が低いままシステムが導入されれば医療機関や行政機関にとっては却ってコスト増の要因になる危険性があります。

エストニアやシンガポールではIDカードは15歳以上の国民全員に配布されており、全ての行政サービスは国民全員がカードを持っている前提で設計することができます。日本では義務化せずに申請を促して普及させていくといった流れですが、せっかくの行政コスト削減や民間企業の活用のチャンスを逃すばかりか、かえって負担をかける結果になるかも知れません。

エストニアやシンガポールと違って日本は桁違いに人口が多いので難しいという面もあるかと思いますが、思い切って義務化なり思い切ったインセンティブの提示を行って9割以上の普及を目指すことが求められるでしょう。


沖縄が電子政府化の先行地域として手を挙げよ



まずは人口約145万人の沖縄で、マイナンバーカードを義務化してみるのはどうでしょうか?これによって沖縄全体で生産性が上がり、マイナンバーカード普及によるメリットが国民全体に明確になるはずです。

沖縄の全ての医療機関と薬局の数は合わせて2,200程度です。この全てに公費でマイナンバーカードを活用した共通電子カルテ、電子処方箋、おくすり手帳を導入するシステムを導入してみるのはどうでしょうか。

運転免許証の統合もまずは沖縄で行えば良いと思います。沖縄県警の職員数は約2,500、車両数は約800です。自動車も警察も越境が少ないため、導入しやすいはずです。

これらは1,000億~2,000億円規模の予算でできることだと思いますので、昨年度のように一括交付金が有効に使い切れずに減らされるくらいなら、沖縄先行で高度な電子政府化に舵を切って日本の中で最も進んだ地域になれば良いと思います。

2016年12月19日月曜日

「世界で一番進んだ国」未来型国家エストニアを沖縄は追うべき

沖縄経済が今後、高度な生産性向上を果たさなければならないという状況の中で、沖縄はシンガポールなどの都市国家やプーケットなどの観光地の成功例を見習っていこうという風潮があります。大変けっこうなことだとは思うのですが、根本的な効率の良さを目指すグランドデザインが無いまま、今の行政体制でできる小手先のことだけを中途半端に行っているというのが実体だと思います。

これから大注目の「エストニア」という国




ICTや電子政府といったキーワードに敏感な人にとっては、最も進んだ国としてすでに有名なエストニアですが、一般に広くその凄さが理解されてはいないと思います。旧CIS諸国では最も目覚ましい発展を遂げたエストニアですが、まだ先進国の水準には達していないため、まだ注目を集めるのはこれからといったところでしょう。とはいえ、購買力平価では既に一人あたり3万ドルに近い水準で、東欧諸国でも豊かな国の一つです。

エストニアが注目されている最も大きな理由は、その徹底して電子化されている電子政府です。特徴的な点だけを挙げても、

  • 起業の法人登記はオンラインで、30分で完了する
  • オンラインで確定申告をしている人の割合は95%を超える
  • 電子申告から3日程度で還付金が振り込まれる
  • 全ての医療記録が一元化されて保存されており、8割以上の医療機関で共有されている
  • 電子処方箋で、通院しなくても持病の薬などを保険適用で購入可能
  • 大学などの入学願書はポータルから提出でき、成績などは自動的に参照される
  • 閣議はペーパーレスで、国外からでも参加可能
  • エストニアに在住していなくても、完全に国外からエストニア国内の会社を運営でき、納税などの行政手続を全てオンラインで行うことができる

このように日本などの国からすると信じられないレベルで電子化が進んでいます。日本政府も含めて世界中の政府が、このエストニアに学ぼうと頻繁にエストニアを訪れています。

沖縄とエストニアの共通点


エストニアは、ソ連からの独立後、貧しく、資源もなく、人口も少ないという地域でしたが、ITへの集中投資と徹底した効率化という選択により旧CIS諸国で最も成長した国となりました。

日本で最も所得の低い地域の一つである沖縄は、このエストニアを見習って徹底した効率化をすべきではないかと思うわけです。沖縄とエストニアには似た部分があります。


  • 人口(沖縄 145万人 エストニア 133万人)
  • 一人あたり購買力平価GDP(ともに約300万円)
  • 輸入依存の状態(GDPに対する輸入の割合 沖縄約47% エストニア約64%)
  • 広い地域に人口が分散(沖縄は離島、エストニアは人口密度が低い)
  • 資源に乏しい
  • 行政を横断的に扱う組織(沖縄総合事務局とエストニア中央政府)
  • 隣国の脅威(中国、ロシア)
エストニアは生き残るために、徹底した効率化という道を選びました。沖縄は、米軍や日本政府の財政状況によっては簡単に危機的状況に陥る可能性がある状況ですから、エストニアと同様に、根本的な部分の効率化を進めることが必要だと思います。

EUのゲートウェイとしてのエストニアと、日本にとっての琉球・沖縄


エストニアは2004年にEUに加盟しており、先程のような起業や納税の利便性のため、EU圏内に進出したい企業が拠点を構えるなどしています。EUは16兆ドルの経済圏であり、域内での自由な交易や往来が可能ですから、その中に拠点を構えることはグローバルな商売をしようとする企業にとって価値のあることです。

エストニアは居住者以外が「電子居住」できるe-Residencyという仕組みがあり、エストニアが他国のパスポートを確認して身分証のeIDカードを発行しています。今、EUを離脱しようとしているイギリスではこのeIDカードを取得してEU市民としての身分を確保しようという動きもあります。

沖縄はもともとその地理的な位置関係もあり、中世は中国や東南アジアから日本へのゲートウェイとも言える存在であったとも言えると思います。沖縄でエストニアのような起業の利便性や電子居住の仕組みが実現できれば、単独で4兆ドルの経済圏である日本市場へのゲートウェイとして世界中の企業が注目するような存在になることが可能ではないでしょうか。