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2016年2月7日日曜日

マーケティングは「戦略」である

 マーケティングという言葉がかなり広義なので、いろいろな捉え方が出来てしまうのがかえって厄介なのかなあ、と思います。

 マーケティングは本質的に戦略的なものでないといけないですが、経営戦略の領域と重なるために、マーケティングという言葉がセールス寄りに、つまり戦術論的に解釈されてしまいがちなのではないかと思っています。

 マーケティングの戦略の要素をおさらいしていきます。

 「戦略」="Strategy"は、自社と競合他社との競争に、どうやって勝つのかということです。この際、この「競争」とは、顧客の奪い合いの競争であると仮定して考えることになります。

 その中で、「3C分析」と「SWOT分析」を行うことが必要ですが、世の中の企業の多くは、これを行っていません。つまり、「3C」= Customer, Competitor, and Company がどのような状況なのかを明確に把握せず、事業の「SWOT」= Strengths, Weaknesses, Opportunities, and Threats が何なのかを明確に認識していない状態で事業をしているということになります。どう考えても恐ろしいですよね。これは、多くの「うまく行っているように見える」事業が5~10年程度で潰れてしまう大きな原因の一つでしょう。

 実は経営者がこの辺のことがわかっていなくても、KSF (Key Success Factor)、つまり重要成功要因を一時的に満たしてしまうので、持続不可能な事業が生まれては消えてしまうということになります。そもそも市場に参入するということは、何かしら勝算があって参入するわけです。例えば消費者にとって圧倒的にメリットがある画期的な新商品であれば、経営効率が悪かろうがマーケティングのスキルが弱かろうが勝ってしまうわけです。

 しかし、時代とともに画期的な新商品であっても陳腐化していき、戦略がしっかりしたところが勝つようになってくるわけです。そうなったときにしっかりと戦略を見直して改革し、立て直すことができる企業は良いのですが、多くの企業が成功体験に囚われることによって改革ができずに没落していくといったことになるわけですね。

 事業拡大の時にもこの罠に嵌ります。画期的で、エンスージアスト層やアーリーアダプター層に人気の商品が、普及期に入るといつの間にか他社に完全に市場を取られているといったことが起きます。

 琉球大学の「戦略的マーケティング」の講義では、競争優位を獲得した企業として「ジャパネットたかた」が挙げられました。ジャパネットたかたは、自分が思うに家電量販店や通販サイトと全く違うのは、1つの商品を集中的に取り上げてセールスするクロージング力と、売れない格安商品を抱き合わせ販売で積極的に処分するという商品設計力の2点ではないかと考えています。知名度やエンターテイメント性、仕入れ競争力といったものはそれらを活かす上で戦略的に生み出されたものであって、特徴的という感じはあまりしない。

 なぜジャパネットたかたが持続可能っぽいかと言うと、一時的に優位に立った時点でテレビ放送枠の確保、セールスマンの育成や自社スタジオの設置など、他社に追随されて負けないための方策を打っている姿勢が見えるからでしょう。もし、たまたまスポットCMでうまく行ったことに胡座をかいて同じことを繰り返していたら、今のジャパネットたかたの地位はなく、とっくに模倣した他社に負けていたはずです。

 セールスがうまく行ったことを、マーケティングがうまく行ったと勘違いしてはいけない。マーケティングを戦略的にきちんと行わなければ、持続可能な競争優位はあり得ないということですね。

マーケティングなきセールスが持続不可能なビジネスの原因

ダイレクト出版さんの「社長がいなくても売上安定するマーケティングの仕組み」が届いて、いつもならなかなか手をつけずに放置するんですが、今回はCDブックがついていたので運転しながら聞いています。CDブックって意外と便利。

ダイレクト出版さんの書籍を買うと、月刊の「The Response」というマーケティングとセールスに関する雑誌が1年間メール便で届くんですが、これがなかなか良い。内容はあくまで導入的な軽いもので、別にWebで記事や誰かのブログを見れば書いてあることなんですが、メール便という形で印刷物が定期的に届いてくれることによって刺激を受けられます。

普段仕事をしていると、その会社の中とか目の前の仕事の中でどうしても世界が狭くなってしまい、偏った考え方になってしまいます。今回CDブックを聞いていて、改めて気付かされた部分があったので、なるべく意識から外さないようにノートしておきたいと思ったわけです。

ドラッカーの言葉で、「優れたマーケティングはセールスを不要にする」という言葉があるそうですが、ビジネスの持続性を考えた時に、この言葉はすごく意義深いわけです。

世の中の多くの事業者が、マーケティングと称したセールス手法を行って、当たったり外れたりしながら、一喜一憂している。それは結局、「マーケティング」が出来ていないからだというわけです。

セールスを頑張らないとビジネスが持続しないということは、とても危ない。セールスで売上をブーストし続けないと赤字になり、崩壊する。でも、世の中の経営者の多くがその状態に身を置いている。

それは何故なのか。これは、そもそも「マーケティング」とは何かを本質的に知らず、また、セールスでの成功体験が強烈なのでそれに囚われて、上手く行ったセールスを繰り返せばずっと稼げるという錯覚に陥っているからであると。

こういう成功体験に囚われた人にマーケティングを語っても、とにかく届かない。自分も恐らく、その成功体験をしてしまえば、かなり危険な状態になるまで気が付かない。だからこそ、ビジネスの初めから、きちんとしたマーケティングをしておかないと、破滅の道を進むことになる。

セールスと違ってマーケティングには即効性が無いことが多いものだから、マーケターと称したセールスコンサルタントが稼いで幅を利かせているのでしょう。ほとんどの経営者は困窮して切羽詰まるまで、コンサルタントに相談などしません。そんな状態でマーケティングをきちんとするというのは、透析患者に健康的な食生活を説くようなもので、手遅れでしょう。とりあえずの延命をさせるセールスコンサルタントが、経営者には救世主のように映る。せめて延命措置をしたなら、次は仕組みづくりを始めないといけないわけですが、相変わらず経営者たちは耳を貸そうとはしません。

手っ取り早く稼げる方法というのは麻薬のようなものです。正統なマーケティングで、きちんと
体力をつけなければいけませんね。