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2013年4月8日月曜日

この際だから消費税増税と同時に、印紙税を廃止したらどうか

印紙税というものがあるのはほとんど社会人であれば誰でも知っているものだと思うが、その税収は近年、課税回避の技術の発達や消費、不動産取引の低迷などによって減ってきているが1兆円前後もあるという。(どうも適当な資料がパッと見つからなかったので申し訳ないがだいたい1兆円前後。)


自分も小売で領収証に印紙を貼ったり、家を買った時に契約書に印紙を貼ったりしたことがあるが、国民1人当たり年間1万円分近くも印紙が発行されているのだからやはり我々の生活にとって小さいものではない。


印紙税というのは売買契約や消費にかかる税金であるが、その方法をまとめると、


・財務省が収入印紙を発行して、それを事業者や契約者が購入して、契約書や領収書に貼り付ける
・税務署へ行って印紙税を納めて設置されている機械で文書に証明の印を押す
・税務署から承認を受けて、予め納付した金額だけ印を押せる変な機械を設置して納付印を押す
・税務署から予め認可を受けて別途文書の枚数を申告して納付する


といった方法がある。


中小の事業者は一番上の方法をとっていることがほとんどのはずだが、事業者にはまず、わずかとはいえ先に印紙を購入させられることがファイナンス上の負担であるし、その在庫を資産として管理したり、領収書にいちいち貼り付けるなどオペレーション上の負担にもなる。


大企業にとっても契約の種類、金額によって納付額が異なることも重なって税務上の負担も大きく、大変無駄な手間をかけさせて無用に経済を圧迫していると思われる。


これだけの煩雑な税であるが、意味合いとしてはほとんどの部分が消費税などの流通課税と重なっており、存在意義は無いものと考えて良いと思う。しかも実際のところ捕捉率にも疑問があったり印紙額のテーブルが歪であったりと、不公平感はある。


印紙税を廃止してしまえば、財務省、税務署の印紙税関係のオペレーションも全て撤廃できるし、小売業や飲食業を初め、不動産業などあらゆる分野で業務負担が減ることになる。印紙税の分を消費税に移せば、それだけで大きな経済効果があるはずだ。せっかく消費税増税と低所得者対策をセットで行おうとしているのだから、印紙税の廃止は今がチャンスだろう。


【参考記事】
揺れる消費増税 5→8% あと1年 2%成長視野も景気懸念
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/642549/


「アベノミクス」潰す消費増税 デフレ下では無理がある
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/641809/

消費増税で還元セール禁止 小売「セールやりづらい、消費萎縮も」

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/640451/



2013年1月21日月曜日

品目別の軽減税率導入にかかる社会的コストを甘く見るな

公明党は次の消費税の増税をする際には軽減税率を導入するように強く主張している。自民党も民主党も最終的には軽減税率を導入する方向へと向かっている。


しかし、軽減税率は、「方法論として」適切なのか、もっと良い方法はないのか、もっと害のない方法はないのか、もっと根本的に低所得者対策として適切な税負担の軽減の方法はないのか、もっとコストがかからない方法はないのか、改めてよく考えたほうがいい。


新聞社は自身の商売に直結するため軽減税率の早期導入を主張する場合が多いが、一般の我々はそうした新聞社の主張を見た時にはそれはポジショントークであるということを忘れてはいけない。


軽減税率を導入する場合、新聞社や出版社、新聞販売、書籍販売のような単一商品を多く扱う商売においては企業としては仕組みが複雑になることによる負担はかなり少ないと言える。これが流通業、小売業などになるとその複雑さによって運用コストや税務コストがかかることになり、企業収益を圧迫する要因になりかねない。特に中小小売業などの場合は品目別の消費税に対応しきれるインフラがない場合すらある。


また、品目別にいたずらに税率をいじることは基本的に価値尺度としての貨幣を利用している市場経済を歪める行為であって、経済全体にとってはマイナスになるだろうということも指摘しなくてはならない。


「給付付き税額控除」との組み合わせが検討されているが、低所得者対策であるというなら「給付付き税額控除」だけで対応するほうがよほど正しい方法論のはずだ。品目別軽減税率では所得などに関係なく軽減されるのだから、低所得者対策としては余計なコストになる。


欧米では当たり前だからと飛びつく前に、本当にそれが正しい方法なのか考えるべきなのだ。欧米の社会システムが日本のものよりいいのか、あの格差社会を見て本当にそう思えるのか、冷静になってみたらどうだろう。


参照ニュース


軽減税率、8%時の導入改めて主張 公明・斉藤氏
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/623192/


【主張】軽減税率 8%からの導入決断せよ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/620177/


消費税の軽減税率、与党協議本格化 対象範囲の取りまとめ急務
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/621648/



2013年1月14日月曜日

消費税の軽減税率ではなく控除と負の所得税での対応を

欧米において消費税の税率が高いのは政府側の欲求として財政を安定させたいために、コンスタントに税収がとれる消費税に傾倒しているに過ぎず、それに対する大衆の抵抗を政治的に抑えるために軽減税率を導入していると言えると思う。


この方法をとる場合は弊害があって、本来は低所得者などの負担を和らげるためという名目での軽減税率だが、品目で区別せざるを得ないために、付加価値の高い高級食料品なども課税を免れることにもなる。


また、新聞や書籍は対象だがDVDやPCソフトウェアは対象でなかったりというところで不合理性があるため、どの品目を軽減税率の対象にするかで綱引きが起きることになる。


例えば新聞を対象とするならば日本で言えば聖教新聞や赤旗などの組織の統制や集金のための媒体も軽減税率を適用するのが果たして適切なのかといった事も考えなくてはならない。食品ならば、食玩と呼ばれる食品として売られているが付属物の付加価値の方が高いとされているものをどう扱うかなど、細かい規定と運用が必要となってくる。


また多くの場合、衣料品であったり地方における乗用車やガソリンなど実質的に生活必需品であるものへは軽減税率は導入出来ていない。あまり品目を広げすぎれば税収は上がらなくなり、対象外の品目への負担感が大きくなってくるだろう。例えば食品は30兆円、水道・電気で20兆円もの消費があり、さらに新聞・書籍や医薬品、郵便、医療サービスなども除外し、さらにそれ以上に多岐に広げていくとすればかなり大幅な税収のダウンに繋がることになる。


このような制度を歪みなく運用するとなれば行政コスト及び民間の事業者にかかるコストは尋常ではない。軽減税率の方法は非常に弊害の大きい制度と言えると思う。


自分の考えとしては、消費税はこれまで通り一律として、所得の課税最低限度額の引き下げ(基礎控除、扶養控除などの拡大)と負の所得税による実質還付でカバーすることを提案したい。


例えば標準生活費は現在、1人世帯であれば自治体によっても違うが全国平均では毎月12万円~13万円程度。もともと消費税が非課税となっている住居費を除けば年間110万から120万円ほどが標準の消費額になると思われる。消費税率が10%とすれば、この金額の10%を消費時に支払っているのだから、それを還付すればいいわけだ。


これをいちいち全員に還付していると大変なことになるので、その分基礎控除を引き上げて、また負の所得税を導入することによって対応するというわけだ。


このようにすれば本当に必要な分の負担を軽減できるし、軽減税率の導入に比べてはるかに公正で、行政コストも低い仕組みとなるだろう。


参照記事


軽減税率、欧州は大半が採用 食料品、医薬品、新聞、書籍など対象
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/621661/


消費税の軽減税率、与党協議本格化 対象範囲の取りまとめ急務
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/621648/



2013年1月11日金曜日

所得累進課税強化は愚策。格差是正には資産への課税こそが重要

所得税増税 所得5千万円超に45%の最高税率新設へ 政府・与党
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/620951/


最高所得税率75%認めず 仏憲法会議、政権に打撃
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/618602/


昔は、基本的に所得の高い人間は搾取をすることによって稼いで、その富を貯め込んでいたものだったのだろうから、このような所得への累進課税の考え方が出てきたのだろうと思う。その場合はもちろん所得を再分配することが格差是正へ繋がってくることになるし、海外へ逃げられる等の心配もさほどなかったのではないだろうか。


現在は全く状況が変わっていて高所得者への高率課税はまるで必要がなく効果的でないと思う。高所得者の多くは多国籍企業の役員や金融業関係者、あるいはエンターテイメント関係者などであり、国内の労働者から搾取した者が高所得者という構図はもはやかなり薄れているし、簡単に海外へと逃げていく。


また、所得が多かったとしてもその分多くを国内で処分して貯めこまない、あるいは投資に回すといったことをしてくれるようであれば、わざわざ税金で回収して分配する必要など無いわけであって、問題となるのは稼いでいるにも関わらず使わずにいることである。


すなわち、格差是正と財政健全化のために効果的な増税の方法は固定資産税の増税、インフレ誘導、地方交付税交付金の削減というオペレーションである。


日本の固定資産税は税率を見て諸外国に比べて安くないということを専門家が言っていることがあるが、日本の場合は課税対象となる不動産評価額がなぜか低いという謎の税制になっているため、実際は諸外国に比べると非常に低い。2倍くらいに上げてもいい。この策には他にもメリットがあるのだが、この記事の主旨からズレるので別の機会に書こうかと思う。


固定資産税とインフレ(日銀の国債買い切り)による課税で資産への課税はカバー出来る。金持ちの眠っている富を税金で回収して政府支出で使う、という考え方からすればこのほうが正攻法であり、間違いない。資産への課税が薄くてはいくら所得に課税しても格差は縮小しない。