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2016年12月19日月曜日

「世界で一番進んだ国」未来型国家エストニアを沖縄は追うべき

沖縄経済が今後、高度な生産性向上を果たさなければならないという状況の中で、沖縄はシンガポールなどの都市国家やプーケットなどの観光地の成功例を見習っていこうという風潮があります。大変けっこうなことだとは思うのですが、根本的な効率の良さを目指すグランドデザインが無いまま、今の行政体制でできる小手先のことだけを中途半端に行っているというのが実体だと思います。

これから大注目の「エストニア」という国




ICTや電子政府といったキーワードに敏感な人にとっては、最も進んだ国としてすでに有名なエストニアですが、一般に広くその凄さが理解されてはいないと思います。旧CIS諸国では最も目覚ましい発展を遂げたエストニアですが、まだ先進国の水準には達していないため、まだ注目を集めるのはこれからといったところでしょう。とはいえ、購買力平価では既に一人あたり3万ドルに近い水準で、東欧諸国でも豊かな国の一つです。

エストニアが注目されている最も大きな理由は、その徹底して電子化されている電子政府です。特徴的な点だけを挙げても、

  • 起業の法人登記はオンラインで、30分で完了する
  • オンラインで確定申告をしている人の割合は95%を超える
  • 電子申告から3日程度で還付金が振り込まれる
  • 全ての医療記録が一元化されて保存されており、8割以上の医療機関で共有されている
  • 電子処方箋で、通院しなくても持病の薬などを保険適用で購入可能
  • 大学などの入学願書はポータルから提出でき、成績などは自動的に参照される
  • 閣議はペーパーレスで、国外からでも参加可能
  • エストニアに在住していなくても、完全に国外からエストニア国内の会社を運営でき、納税などの行政手続を全てオンラインで行うことができる

このように日本などの国からすると信じられないレベルで電子化が進んでいます。日本政府も含めて世界中の政府が、このエストニアに学ぼうと頻繁にエストニアを訪れています。

沖縄とエストニアの共通点


エストニアは、ソ連からの独立後、貧しく、資源もなく、人口も少ないという地域でしたが、ITへの集中投資と徹底した効率化という選択により旧CIS諸国で最も成長した国となりました。

日本で最も所得の低い地域の一つである沖縄は、このエストニアを見習って徹底した効率化をすべきではないかと思うわけです。沖縄とエストニアには似た部分があります。


  • 人口(沖縄 145万人 エストニア 133万人)
  • 一人あたり購買力平価GDP(ともに約300万円)
  • 輸入依存の状態(GDPに対する輸入の割合 沖縄約47% エストニア約64%)
  • 広い地域に人口が分散(沖縄は離島、エストニアは人口密度が低い)
  • 資源に乏しい
  • 行政を横断的に扱う組織(沖縄総合事務局とエストニア中央政府)
  • 隣国の脅威(中国、ロシア)
エストニアは生き残るために、徹底した効率化という道を選びました。沖縄は、米軍や日本政府の財政状況によっては簡単に危機的状況に陥る可能性がある状況ですから、エストニアと同様に、根本的な部分の効率化を進めることが必要だと思います。

EUのゲートウェイとしてのエストニアと、日本にとっての琉球・沖縄


エストニアは2004年にEUに加盟しており、先程のような起業や納税の利便性のため、EU圏内に進出したい企業が拠点を構えるなどしています。EUは16兆ドルの経済圏であり、域内での自由な交易や往来が可能ですから、その中に拠点を構えることはグローバルな商売をしようとする企業にとって価値のあることです。

エストニアは居住者以外が「電子居住」できるe-Residencyという仕組みがあり、エストニアが他国のパスポートを確認して身分証のeIDカードを発行しています。今、EUを離脱しようとしているイギリスではこのeIDカードを取得してEU市民としての身分を確保しようという動きもあります。

沖縄はもともとその地理的な位置関係もあり、中世は中国や東南アジアから日本へのゲートウェイとも言える存在であったとも言えると思います。沖縄でエストニアのような起業の利便性や電子居住の仕組みが実現できれば、単独で4兆ドルの経済圏である日本市場へのゲートウェイとして世界中の企業が注目するような存在になることが可能ではないでしょうか。

2016年12月11日日曜日

糖質オフ系のビール系飲料を比較した結果「アサヒオフ」が優秀

世の中はもう糖質オフブームが始まっています。パンはブランパン、麺は大豆などを使った低糖質麺などが出てきており、ビール系飲料にも糖質ゼロなどのものが増えてきています。しかし糖質ゼロや糖質オフのビールを試しに飲んでみて、あまりの不味さにその後一切目もくれない人が多いのではないでしょうか?

今回、いろいろ飲んでみた結果、自分としては選択肢はほぼ1つで明らかになったと思います。今のところ「アサヒオフ」以外はビールの代わりにはならないと思います。

今回比較した糖質オフ系のビール系飲料たち


アサヒオフ
薄いビールといった感じの味。ちゃんと麦の香り感がある。ちゃんとビール系として飲める味だと思います。

スタイルフリーパーフェクト
極ゼロ
まるでビールっぽさはなく、全く別物。これだったらハイボールとか別のものを飲んだ方がいいと思います。

スタイルフリー糖質ゼロ
カテゴリーは発泡酒で、第3のビールとはさすがに少し違うのかなという感じはします。味の薄い発泡酒といったところで、慣れれば決して悪くはない。

くらしモア 爽生 糖質70%オフ
味はドライ系の感じがしました。泡は少なめではあるが炭酸は弱くない。価格が安く、ビール感もなくはない。

金麦 糖質75%オフ
やわらかい泡立ちはビールっぽい。あまり変な味はしない。ビール感はあるけれども、薄い発泡酒といった感じ。

キリン 淡麗グリーンラベル (糖質70%オフ)
普通に発泡酒として飲める味。特に欠点は無いと思います。

クリアアサヒ糖質ゼロ
キリン 濃い味〈糖質ゼロ〉
キリン のどごし オールライト
キリン 淡麗プラチナダブル
これらはどうしてもアセスルファムKの独特の甘みが後を引いてしまうので、ビール系以前に飲み物としてダメだと思います。

味としてはこの中では淡麗グリーンラベルがいいのですが、糖質もプリン体もそれなりに含まれていることも考えると、糖質オフ系のくくりでは糖質ゼロ・プリン体ゼロのアサヒオフ一択かなと思います。

2016年12月8日木曜日

DeNAパレットのライターの1人として雑感

11月29日のWelq閉鎖に続き、12月1日にはDeNAパレットのMERY以外の8サイトが閉鎖、12月7日には主力のMERYも閉鎖と、壊滅状態となり話題になっています。

私もわずかではありますがDeNAパレットで記事を執筆していた1人で、フェアではないかも知れませんが雑感を記しておきたいと思います。とりとめもないことではありますが、個人的な備忘録のようなものですので、軽く流していただければ幸いです。

私は一応、金融・投資関係に関しては仕事などの経験や外務員やFPの資格を持っており、海外生活の経験もあるということで、関係する記事を書いて役に立てれば良いなという思いで参加していました。もちろんある程度きちんとした記事しか書きませんし、他からのパクリ、いわゆるリライトといったことはしていません。著作権や情報の正確性についてもあまりいい加減なことはしていないつもりです。

ですので、もちろん巷で言われているような1記事数百円といったことはあり得ません。どう頑張っても記事の執筆には数時間はかかりますから、それなりの報酬でなければ仕事を受けることはありません。

しかし、1か月に5,000~10,000文字の記事を50本以上書いているようなライターさんもいたようで、果たしてどれほど熟練したライターさんなのだろうと思っていました。一方で、自分が記事を書くときにはサイト内に類似の記事がないかどうか、どの記事に内部リンクをするかなどをチェックするわけですが、非常にいい加減な記事が多数あったと感じたのも事実です。

特に沖縄での生活といったことに関しては、全く経験がない人がロクに調べもせずに書くと、それをあてにして行動したら明らかに苦労するだろうなという内容の記事が多かったのを記憶しています。

沖縄では求人サイトはアグレ・ルーキー・ジェイウォームであり、中古車情報サイトはクロスロードとGooであり、スーパーはサンエー・かねひで・ユニオンであり、レジでは店員が袋詰めをする、都銀はみずほ銀行1店舗しか存在しない、ATMでの引き出しは24時間ではないといった、沖縄で生活をしていれば誰でも知っている常識を知らない人が適当に沖縄移住の注意点なんかを紹介するので役に立たないどころか迷惑ではないかなどと思いもしました。今は、きっと他のことでも同じようなことが起こっていたのだろうなと思います。

MERYを除けばそれぞれのサイトは扱う範囲が非常に広く、記事をチェックする方はもちろん何でも知っているわけではないので、ライターが書いたことが的外れではないかどうかを判断することはできなかったのだろうと思います。とはいえ、やはり全体を監修する信頼のおける専門家が1人でもいて、その分野から大きく外れない範囲でキュレーションサイトを運営するといった方法をとらなければいけなかったのだろうなあ、という感じですかね。

しかしDeNAパレットが商業的にそこまで急激に勢力を伸ばしていたとも思っていなかったので、そこは驚きました。これだけのSEOが可能なのであれば、地道にやれば非常に持続的で強いビジネスになるものだったのではないでしょうかね。

この問題が波及して他のキュレーションサイトが軒並み休止しているため、フリーランスのWebライターという仕事自体をクラウドソーシングに頼っていた私のような人は、ライター職としての仕事は激減になります。この機会にいろいろ自分の仕事のこともよく考えてみたいと思いました。

2016年12月4日日曜日

沖縄県経済の全体像を見て、その危うさを把握する

前々から沖縄県経済というのは非常に危うい状況の中にあるとは思っていたのですが、実際のところ何が危険なのかというはっきりした説明は出来ずにいました。今回は、沖縄県経済の全体のざっくりした数字のイメージを簡単に示すことで、その危うさが何なのかをきちんと把握したいと思います。

そもそも沖縄県は人口も増加していて日本で最も経済成長している地域ですので、多くの人は沖縄県経済に関しては楽観的に見ている状態であり、沖縄県経済が危ないと言っても沖縄県内では多くの経営者や役人らを含めてあまり聞いてくれる状況ではありません。そういった認識なので、将来に向けて危機感を持って対応しようという声はごく一部にしか届かない状況です。このマインドも沖縄の危うさの一つでしょうか。

とりあえず沖縄県経済の全体像はこれ


沖縄県の経済規模は約4兆円です。

下のグラフは、主に2014年度から2015年度の調査や公表された会計の数値をもとに私がおおまかに把握した沖縄県経済の域内・域外に対する支出・収入の状況です。数字は500億円単位で適当に丸めましたので、細かい部分で正確ではありませんが、おおよそこのようになっていると思います。



沖縄県の「貿易赤字」約9500億円


域外との貿易では国内・国外と合わせると約9500億円の「貿易赤字」ということになります。4兆円のうち約4分の1の貿易赤字ですから、凄まじい割合ではないでしょうか。4兆円のうち半分近い1兆9000億円を移入・輸入が占めているというのが移入・輸入に依存している沖縄の姿を示しています。

それを穴埋めしているのが、中央政府からの支出です。

国から沖縄へ1兆円を移転している


沖縄という地域は国からの補助に大きく依存していると言われていますが、沖縄県はそれを否定しており、決して過度に依存はしていないと言っています。

沖縄県の論拠は、他の道県と比較して依存度が高くないということですが、それは批判の矛先を逸らすことにはなるかも知れませんが、国に依存しているという問題点がなくなるわけではありません。

沖縄県から国に納めている国税と、国から沖縄県および沖縄の市町村へ配分されている地方交付税交付金、国庫支出金、そして米軍関係予算の合計を比較すると、約1兆円が国から沖縄へ移転されていることになります。

つまり、沖縄県内に必要なものを移入・輸入するためのお金を国に依存しているような構造です。

「国からの1兆円」が減るとどうなるか


これから沖縄県や政府の取り組みにより沖縄の米軍縮小が実現したり、米国トランプ大統領の政策次第でも米軍関係予算は大きく変わるでしょう。

また、地方交付税交付金や国庫支出金は、国債金利が上昇するなど国家財政が危うくなれば、容赦なく減らさざるを得なくなります。

もしこの国からのお金が減るとどうなるかと言えば、それは「沖縄からの資産の流出」に直結するということです。必要なエネルギーや食料、製品などを域外から購入するために、県内の資産を切り売りしながら生活することになります。

ただでさえ国内最低レベルの賃金、一人あたり生産である沖縄は、富の流出、ストックの減少でマレーシアなどの発展途上国並みの経済になる可能性があります。家族の何人かが東京や台湾に出稼ぎに行かなくては生活が立ち行かなくなり、人口は減少していくでしょう。

ミッションは生産性3割向上、移出・輸出1兆円増

沖縄はこれから、急速に生産性を向上させて域外からお金を稼げる構造にしなければいけないと思います。移出入のギャップを埋めて、国への依存体制をなくすようにしないと、急激に貧しくなってしまう可能性があります。つまり移出・輸出を1兆円増やすことを目標に掲げるべきです。

そのためには今のような観光客をどんどん増やすといったことだけでは難しく、沖縄で生産すれば他よりも効率が高いという状況を作らないといけません。

しかし、沖縄は今、特に道路など交通のインフラに余裕がありません。経済規模の拡大とともに那覇都市圏が拡大して来ましたが、中心部から離れると生産性の低下が顕著です。生産の拡大には生産性の向上が不可欠な段階に来ています。生産性のジャンプアップ、3割向上を目指していく必要があるでしょう。

そのためには鉄軌道や自動運転の導入、電子政府化などの行政の効率化、積極的な規制緩和、教育や研究開発への集中投資などあらゆる手段をとることが大事です。

だからこそ、沖縄県の政治家、役人をはじめとした沖縄県民が、沖縄県経済は危機的状況であるという認識を共有することが重要ではないかと思います。


2016年9月10日土曜日

Kindle Unlimited で久しぶりにたくさん本を読んだ1ヶ月

日本でAmazonの書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」が、月額980円という価格で8月3日に始まってから1ヶ月以上。私は8月15日から利用していて、まだお試し無料期間中ですが、継続しようかなという気になっています。

書籍はやはり無料のネット記事とは全然質が違う



今はインターネットでWebから無尽蔵に情報が手に入り、書籍を買う必要性を感じなくなってきている人も多いと思います。しかし、今回Kindle Unlimitedを利用して思ったのは、やはり出版社から出版されて店頭に並ぶような書籍には、本当に面白いものや役に立つものがたくさんあるということです。

Amazonには個人の方が電子書籍で出版されている無料の書籍や安い書籍なども数多くあり、私もときどき購入したりしていましたが、Kindle Unlimitedで読める書籍にはベストセラーや著名な方が書かれた本が多数あり、全く世界が違いました。

また、ブックオフなどの古本屋で100円以下の本をたくさん買って読むことも多いのですが、そういった本の多くは10年以上前に発売されたものがほとんどです。Kindle Unlimitedにはもっと新しい本がたくさんあり、タイムリーで有用な本をたくさん読むことが出来ます。書店で購入して読めば1冊600円から2,000円ほどもするわけですから、書籍をたくさん読むことの金銭的な面でハードルがかなり下がりました。

この1ヶ月でKindle Unlimitedで読んだ本


これ以外にも本は読んでいますが、Kindle Unlimitedで読んだのは以下のものです。
以下敬称略


  • 「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」 佐藤邦威
  • 「幻想と覚醒」 苫米地英人
  • 漫画「限界集落温泉」全4巻 鈴木みそ
  • 漫画「翔んで埼玉」全1巻 魔夜峰央
  • 「まんがで変わる! 仕事は楽しいかね?」
  • 「仕事は楽しいかね?」 デイル・ドーデン
  • 「心と体の不調を解消するアレクサンダー・テクニーク入門」 青木紀和
  • 「なぜあなたの仕事は終わらないのか」 中島聡
  • 「ケトン体が人類を救う」 宗田哲男
  • 「必要な知識を15分でインプットできる速読術」 高橋政史
  • 「仕事は楽しいかね?2」 デイル・ドーデン
  • 「座り方を変えれば、身体の疲れがイッキに取れる!」 中野 孝明
  • 「幸運を呼び込む不思議な写真」
  • 「人生がときめく片づけの魔法」 近藤麻理恵


Kindle Unlimitedにある名著たち


Kindle Unlimitedには、以下のような古典的名著と呼ばれる書籍もあり、また読んだことがない人にとっては有益ではないでしょうか?

  • 「『原因』と『結果』の法則」 ジェームズ・アレン
  • 「思考は現実化する」 ナポレオン・ヒル
  • 「自助論」 スマイルズ
  • 「生き方」 稲盛和夫

Kindle Unlimitedの使い勝手



まず、今までほとんど電子書籍を利用してこなかった人にはハマらない可能性は高いんじゃないでしょうか。やはり紙の書籍と電子書籍では勝手が違います。また、それなりのサイズの端末がないと厳しく、スマートフォンだけとか、あるいは逆にタッチパネルのないPCだけというのは使い勝手がかなり悪いと思います。8~10インチクラスのタブレットPC、WindowsではなくAndroidタブレットかiPadが良いでしょう。

Amazon.co.jpのサイトから10冊までキープでき、さながら電子図書館といった感覚ですね。書籍を返却(Amazonでは「利用を終了」という表現ですが、返却というのがしっくりきます)しても、付箋やマーカーはそのまま保存され、また借りたときにはそれが残っているという点は面白いと思います。とはいえ1度読んだ本を読み返すことはそうそう無いとは思うのですが。

残念な点を挙げれば、KindleのアプリからはUnlimitedかどうかの区別はなく、利用中の書籍の管理、つまり借りたり返したりといったことができず、いちいちブラウザを立ち上げて、管理画面に行かないといけないというところくらいですかね。

私は以前からドコモの月額432円雑誌読み放題サービスのdマガジンを利用していて、東洋経済やプレジデント、その他料理系の雑誌などを読んでいますが、Kindle Unlimitedが月額980円で書籍まで読み放題になり、読み物に困らないかなり充実した生活が送れそうです。

2016年7月26日火曜日

代議士制民主主義の中での国民投票の位置付けは改善の余地あり

もう随分昔のことのような気すらしますが、1ヶ月ほど前に行われたイギリスのEU離脱に関する国民投票について、国民投票という制度の扱い方という観点から自分の考えを整理しようと思います。

Brexutという「結果」と国民投票


イギリスでは2016年6月23日にEUから離脱するかどうかの国民投票が行われ、EUから離脱するという国民の意思が確認されたという形になりました。この結果自体が妥当かどうかという議論はあり、今も再投票をするとかなんとか揉めていたりします。

結果をめぐって揉めてしまっているのは、あまりにも僅差であり敗れた方や棄権した人々にとって気持ちが悪いからということはあります。しかし今回の場合はやはり、そもそも国民投票にかけると憲法などで決まっているわけでもないものを国民投票にかけたということの問題があったのではないかと思います。

日本では憲法改正や最高裁判所の国民審査は国民投票のレギュレーションが憲法で定められていますが、大阪都構想の住民投票はそうしなければいけないと決まっているものではありません。

大阪都構想にしろ、今回のEU離脱にしろ、その行政府の長が直接投票という「結果」を武器に思い通り行政を進めたいという意図の元に行われたものであり、たまたまその「結果」が思い通りにいかなかったと言えるでしょう。しかしその副作用はかなり大きいものがあり、有権者の「反対」という意思が確認されてしまった中ではいかに議会の多数を占めていようと困難です。

国民投票という「セキュリティホール」


意思決定において国民投票があれば全て議会の決定に優先するのであれば、内閣など行政府側は運営によって代議士制を骨抜きにすることが可能になる。例えるなら国民投票というものが一種のセキュリティホールとして存在してしまっているのではないでしょうか。

Brexitの流れの中では、イギリスがEUを離脱するかしないかという極めて大きな問題について国民投票の問題が顕在化してしまったわけです。ここで、イギリスを含め世界各国はこの深刻な「セキュリティホール」をふさぐことを考えなければいけないと、私は言いたいわけです。

また、今のところ実現こそしていませんが、スコットランドが独立したり、それこそ世論が反政府に傾いた一瞬の隙をついて沖縄が独立してしまうこともあり得るわけですし、逆に台湾やネパールやラオスが(下手をすると沖縄すら)自ら中国領となる選択をすることもあり得ないことではないわけです。

国民投票の結果には現状、誰も文句をつけることができないほど、国民投票というのは強力なものです。こうしたものは憲法なり基本法で、その取り扱いについてけっこう厳格に、濫用されないように定めるべきでしょう。どのようにその穴をふさぐのかといった法学的な議論が必要なのではないかと思います。

2016年6月28日火曜日

沖縄の「健康長寿県」からの凋落っぷりから、貧困の問題を考える



沖縄そばとジューシーの組み合わせは沖縄でポピュラーですが、どう見ても炭水化物過多の感じがします。沖縄料理というイメージでなんとなく許されてしまっている面があるような気がします。

沖縄の凋落と、男性の早死に


6月27日発売の週刊東洋経済の「健康格差」特集の中で、沖縄県民が急激に健康を損なっているということが言及されています。

1985年には男女とも全国トップだった平均寿命は、平成25年には男性が30位、女性が3位と後退し、今後女性はさらに順位が下がるのが確実とも言われています。

決して平均寿命が縮んでいるわけではないので、他の都道府県の平均寿命が延びて追いぬかれたということではあるのですが、明らかな悪い要素があるようです。東洋経済の記事では沖縄の35~59歳の死亡率が全国平均に比べて非常に高いということが書かれています。

心筋梗塞、脳血管疾患、肝疾患、自殺などが全国に比較して高い傾向があり、肥満は全国ワーストクラスで、2012年調査で女性がワースト1、男性はワースト2ということです。県民所得の低さと所得格差も指摘されていて、貧困が病気やアルコール、自殺などを誘発していることが読み取れます。

根本的な改善は、貧困問題へ向き合うことから


平均寿命自体は数字が少し動いているだけにすぎないのですが、健康を損なうことは人の幸福を損なうことに他なりません。貧困が不健康、病気、短命につながっているということであれば、「貧しくてもそれなりにやっているよ」というのは単なる強がりにすぎないことです。

沖縄の労働者は、収入は低く、休みも少なく、生活にゆとりがない人が非常に多いです。経済全体としては脆弱で所得が低いにもかかわらず、単価の高い消費をする観光客や米軍関係者が物価を押し上げています。大部分を県外からの「輸入」に頼る食料品は全体的に価格が高い状況で、工業製品も輸送コストが価格を上げています。

食堂では冒頭のようなとにかくボリューム重視の炭水化物たっぷりのメニューが食べられており、コンビニや弁当屋では大盛りのごはんに揚げ物と炒め者が入った安くて高カロリーのお弁当が人気があります。

健康的な野菜や肉料理は値段が高くなかなか手が伸びず、米や小麦と油、砂糖の比率が高くなっているのが現状だと思います。健康な食生活には経済的なゆとりはどうしても必要です。

また、貧困と時間的な余裕のなさはストレスや運動不足へとつながります。結果として企業も生産性が上がらず、給料は低いままと、負の連鎖が起こっていると思われます。

とはいえ、沖縄県民自身がこうした状況に追い込まれているということを認識した上で、抜けだそうという考えさえ持てれば、短期間で改善できるのではないかと思います。

沖縄の姿は未来の日本の姿?


沖縄は長寿日本一から急激に転落しましたが、その背景には貧困がありました。

そうなると、現在長寿世界一である日本は、その経済的衰退が目に見えてきている今、一気に転落への道をたどると考えるのは自然なことでしょう。非正規労働者の増加、所得の低下、労働の長時間化といった要素に対して真摯に向き合わなければ、国民の健康は失われてしまうと考えられます。

沖縄も、そして日本全体も、経済的に豊かになり、人々が時間的にもゆとりを持てる社会を強く目指していかなければいけません。経済成長は、我々の幸せに必要不可欠なことなのではないでしょうか。