家電量販より高く販売して、お客様から喜ばれるでんかのヤマグチ
http://blogs.itmedia.co.jp/brand_ing/2010/08/post-04b7.html
要は営業を優良顧客に絞り込むこと、価格にこだわらない購入層の満足度を確保するためにあらゆることをするということではあるのだが、これを小手先の奇抜な方法で商品を高く売る珍しいテクニックだと思ってしまうような人も多いと思う。そんな人はやはりセンスがない。
そもそも10万円のものを5万円に値引きされることも良いが、実はそもそも3万円のもので良かったのであればそれでいい。その「自分にとって最適な商品」に気がつくかどうか、選べるかどうかこそが最も大事なことで、さまざまな商品を取り揃えている電器店はそれをこそ助けるべきのはずだ。
そして、買ったあとにも商品の価値が変わる。どこに置くか、壊れたらどうするか。クルマであれば壊れて修理に出したり、車検に出している間は代車を用意されるといったことは当たり前であるが、その当たり前のことが出来ていないのが家電販売業界でもある。
最近よく大手家電量販店では有償で延長保証をつけるサービスがあるが、始めの頃はわずかな掛金だからとよくつけていたのだが、正直言って、初期不良は仕方ないが、電気製品が壊れた時に修理に出す、そのときにメーカー以外の保証を適用するという行為はかなり面倒くさいことなので、余程のことがない限り延長保証をつけないようにしている。生命保険などでも、掛金が安いかどうかよりもいざというとき、特に自分が怪我をしたり病気になって困っているときに手続き等をきちんと親切にやってくれるかどうかが第一だ。その点、このような電器店のお得意さんになっておけば保証の手続きなどもちゃんとやってくれるだろうという安心感から、保証料を払っても良いかな、という気になるだろう。
かつて、そうしたアフターサポートを削って「町の電気屋」を潰してきた大型家電量販店は、結局はamazonや、通信販売を主力とする激安店に大きな圧力を受けている。まさに因果応報でもあるが、電器店の役割に立ち返れば生き残っていくことは可能だ。しかし逆に今、この店のような、いわば「大型町の電気屋」に逆方向から攻められ、生き残るステージは狭くなっていくだろう。
まあそんな業界動向は正直どうでもいいわけだが、他所の店で高く売っているものを安く買えた、という満足感は、もしかしたら何の意味もないものなのかも知れない。本当に必要なものを正しく買っているのかどうか、それを今一度考えるべきだろう。