平均遅延わずか36秒、驚異の運行続ける東海道新幹線
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/619638/
東海道新幹線の安全性、正確性はまさに驚くべきだが、「やりすぎ」なのではないかという批判もときどき見かけることがある。わずか1分の遅れをなくすためにかけているリソースが大きすぎるのではないかという考え方だ。一見、一理あるように思える。
しかし、結論からすればこれはオーバーキルであるとは言い切れず、東海道新幹線の場合はまさに日本の背骨であるという意識からこういった運行をしてきているのだろうと考える。
日本の鉄道は、鉄道網と呼ばれるように密なネットワークになっていることが非常に特徴的だが、その大前提には「定時運行」があるのは間違いないことだ。定時運行だから、スムーズに乗り継ぎができ、いろいろな場所に素早く移動でき、面をカバーすることが出来ている。
東海道新幹線は東京、名古屋、大阪の鉄道網の中心地から接続され、東日本から西日本の移動時間を縮めるという大きな役割を担っている。試しに路線検索サイトなどで新幹線を使う場合と使わない場合の結果を比較してみれば新幹線の凄さがよく分かるはずだ。
速度はもちろん航空機のほうが圧倒的に速いが、それでも新幹線の方が良いのは「定時運行」だからだ。
航空機の場合は天候などで簡単に遅れが出るし、15分以内なら定時運行、つまり遅れたうちに入らないというのが規定だ。そして世界で最も定時運行率が高い日本航空ですらその数字は90%未満となっている。つまり、決まった時間に用事があるような場合はかなり余裕をみる必要があり、その分の時間は新幹線より遅いも同然だ。
また、航空機の性質上手荷物や貨物の検査に時間がかかり、ゲートも狭い。そして、鉄道網への接続が密でない。これらを考えると、1時間や2時間の移動時間の差も埋まってしまう。であれば、その上運行本数が多く、快適性が高い新幹線は非常に強い。
もし東海道新幹線が正確でなくなれば、東京、名古屋、新大阪での接続に乱れが生じ、新幹線待ちの遅延が在来線で発生したり、それが大きく波及し大混乱の原因ともなる可能性がある。日本の背骨だからこそ、ここまでの正確性を求めることは決して間違っていないと思う。