自分は、消費税の軽減税率は一切導入せずに、給付付き税額控除だけを導入するべきだという考えを持っているが、そのイメージを説明しておきたい。
軽減税率は生活必需品に対して税率を軽くする、あるいは免除することで低所得者にとっての負担を軽減することを目的としているが、実際に全ての生活必需品に適用することも出来ず、また生活必需品でないものへも軽減税率が適用されてしまったりする。結局のところ消費の多い高所得層の方が軽減される税額が大きいので、逆進性対策としてはあまり費用対効果が良くないと考える。しかも企業にとって複雑なため運用上の負担が非常に大きくなるので、極力避けるべきだと考える。
給付付き税額控除であれば、低所得者対策ならば低所得者にとって生活に必要な支出の中で負担が増えた分をそのまま還付すればいいので、シンプルかつ公平になる。これを役所の事務負担が大きいからという理由で反対している人がいるが、正直言って馬鹿な主張だと思う。
控除額を計算する基準は、一般的に必要とされる生活費の額だ。平成24年人事院勧告の中の参考資料の生計費関連という資料の中に、世帯人員別標準生計費という表があるので、その数字を拾ってみると、
1人世帯 117,540 (内住居関係費 46,400)
2人世帯 175,850 (内住居関係費 49,330)
3人世帯 201,950 (内住居関係費 45,330)
4人世帯 228,050 (内住居関係費 41,330)
5人世帯 254,160 (内住居関係費 37,340)
となっている。住居関係費を除いた数字を計算し、これが月額なので12倍して年額換算すると、消費税還付の基準となる金額が出るはずだ。つまり、
1人世帯   71,140/月    853,680/年
2人世帯 126,520/月 1,518,240/年
3人世帯 156,620/月 1,879,440/年
4人世帯 186,720/月 2,240,640/年
5人世帯 216,820/月 2,601,840/年
これに消費税率を掛けた金額が、還付すべき金額ということになる。消費税10%であれば、
1人世帯   85,368
2人世帯 151,824
3人世帯 187,944
4人世帯 224,064
5人世帯 260,184
この金額を徴収する所得税から差し引き、マイナスであれば給付するということになる。これが自分の考える給付付き税額控除のイメージだ。
ちなみに、これをさらに押し進めていくと自分の考えるベーシックインカム(BI)制度となり、生活保護、基礎年金に取って代わる制度ということになる。