日本人男性の塩分摂取量は平均で11~12gくらいで、目標値が9g未満へと改定されたということで、基本的に塩分は減らさなければいけないという意識が世間に蔓延している。これはそもそも高血圧予防のためということで、誰も彼もが塩分を減らそうというのも間違いで、人によってはもっと摂らなくてはいけないという指摘をたくさんの人がしている。
塩分不足の症状は例えばこちらにあるように、力が出ない、疲れやすい、冷える、病気に弱くなるなど、全体的な活力の低下、身体機能の低下に繋がっているようで、不足のほうにも気をつけなくてはいけない。疲れやすい、気力が出ないということがしばらく続いたなら、塩分が足りないかも知れないと疑ってみる必要がある。
厚生労働省が男性9g未満、女性7.5g未満という基準を出してしまっているが、塩分の消費量は人によって、行動によって、気候によって、体調によっても大きく違うわけで、この数字にとらわれて、多いから減らさねばとばかり考えてしまうのは大きな間違いで、国がその間違いを助長して塩分不足の国民を増やしてしまっているように思える。
私は数年間、自分の無気力や疲労を煩わしく感じながら過ごしてきたが、塩分不足を疑ってから、卵醤、濃い目の味噌汁、梅干しなどで積極的に塩分を摂取していくことを試みて、気力、体力が戻るようになった。もともと血圧が低めだったことも少食であることも、恐らく塩分が足りていなかったことによるものだったろうと思っている。
塩分の積極摂取を訴える人が少ないせいか、例えば卵醤について、「有精卵と天然醸造醤油を使わないと全く効果はありません」などと馬鹿げたことを言っている人もいる。こういった頭の悪い主張をする人のせいで塩分の積極摂取自体が何かオカルトの怪しい話のように見られていて、世間に広がっていかないのではないかと疑っている。
ここから余談で補足。卵醤について。
卵醤というのは鶏卵を割って、ちょうどその半分の殻いっぱいの量の辛口醤油と混ぜて飲み干すという所謂民間療法だが、これが非常に良いのは、醤油に含まれる3~4gの塩分を卵に含まれるビタミン・ミネラル・アミノ酸、また醤油に含まれる大豆由来のビタミン・ミネラル・アミノ酸といった栄養素と同時にとるのでナトリウムだけをとるよりも非常にバランスが優れているということだと私は理解している。
有精卵と無精卵では、有精卵のほうが栄養豊富なことが多いという経験則はあるが、必ず有精卵でなくてはいけないということはないはずだ。ましてや有精卵でなくては効果がないなどと言っている人は理屈が何もわかっていないのだと思う。
天然醸造醤油や、所謂自然塩でなくては効果がないと主張する人も多いが、これは塩のミネラルバランスを気にしての主張であり、それを卵と大豆由来の成分で補うことがキモである卵醤においては必ずしも絶対必要ではないと私は理解している。
卵醤は普通の卵と普通の醤油でも効果がある、というのが私の素人ながらの考えで、恐らく正しかろうと思う。もちろんより栄養価が高いものを使うのも良い。