先日、琉球大学元教授で沖縄県の都市政策に関わりの強い池田孝之博士とたまたまちょっとお話しする時間があったので、沖縄県が出した鉄軌道構想について、もし実現するとしても2033年では随分と気の長い話すぎるんじゃないかということを言ってみた。
すると、実は沖縄自動車道で2両連結などの大型幹線バスを走らせて本線として、支線を整備するという構想があって、早ければ来年には実現させるということらしい。
しかしそこで、どのバス会社が主体としてやるのか、支線をどこが引き受けるのかという調整がまだ残っていて、それが大変だということだった。
沖縄のバス会社といえばモノレールを通す際にも反対したり圧力をかけ、運賃がバスを下回らないようにさせたり、長距離路線でガラガラの状態なのに運賃を下げずに高止まりさせたり(カルテルのようなものがあるように見える)、電子マネー導入も初期投資を渋るために導入が極めて遅れていたり(これはもう近々導入されるらしい)ということがあって、私としてはだいぶイメージが悪い。
大型幹線バスを通す場合に重要なのは、低運賃で大量輸送することで収益を安定化させるということを原則としなければならないことだと私は考える。ここで運賃が高いままであればまず意味が無いし、電子マネーを導入・普及しないと乗降時に時間がかかり輸送力が落ちてしまう。
このあたりの考え方が沖縄のバス会社は出来ないのではないか、というのがこれまでの経緯を見た上での私の感想で、行政側がこのあたりの方針を明確に打ち出して宣言した上でやらなければいけないと思う。
また、北部振興策とは言うものの、那覇から名護に繋ぐことばかりを考えるのは逆に遠回りの可能性もあるのではないかとも思っていて、例えばコザから石川のあたりをハブとしてそこから南部にも北部にもスポークで走らせるというイメージの方が各路線の収益が安定しやすく、中部振興になり、結果的に北部振興に繋がるという気がしている。鉄軌道にしてもまず南部~中部を早期開通させることを考えるべきだろうというのは、この考え方も理由にある。