【読売新聞】
北総線の半額で運行 300円バス、あす出発
http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20140607-OYTNT50315.html?from=ycont_top_photo
記事にもあるように、千葉ニュータウン中央駅から新鎌ヶ谷駅までを半額近い運賃で結ぶということです。恥ずかしながら昨日付けのニュースで初めて知ったのですが、もの凄く興味深い話ですね。
よく知らない人から見ると、随分中途半端な区間のようにも見えるかも知れないので、若干補足説明しましょう。
まず北総線というのは千葉ニュータウン建設に当たって京成電鉄、千葉県、URなどの出資により作られた第3セクターの鉄道で、成田空港から上野までの途中で千葉ニュータウンを通るような路線。
運賃が異様に高いことが沿線住民の間では挨拶になっているほどで、例えば10km区間の運賃では、
京成電鉄 185円
JR東日本 195円
東武鉄道 195円
に対して、
北総鉄道 494円
と2.5倍もの運賃となっています。高い高いと言われる都営地下鉄ですら267円、つくばエクスプレスでも329円ですから、電車が通っていると思って安易に移住してきたりすると、意外な出費となってしまいます。
千葉ニュータウン中央駅から新鎌ヶ谷駅までノンストップということなので、要はほぼ完全に千葉ニュータウンの一部の住民向けということになりますが、これで果たして需要があるのかというのが傍から見ると疑問に思えるでしょう。
千葉ニュータウンというのは白井市と印西市にまたがる(船橋市にもかかっているが地理的にはここを船橋と呼ぶのはどうかと思うくらい関係性が薄い)首都圏第3の規模の公団住宅エリアで、実人口で10万人程度を擁する巨大ベッドタウンです。
そのうち4割ほどが千葉ニュータウン中央駅付近の千葉ニュータウン中央エリアで、4万人程度の住民がいるのではないかと思います。実際に千葉ニュータウン中央駅の利用者数は1日1.5万人程度(乗降車数3万人ほど)。
新鎌ヶ谷駅というのは要は乗換駅で、北総線以外に東武野田線、新京成線、京成成田スカイアクセス線と接続しているため、新鎌ヶ谷以西の沿線住民は、船橋方面や柏・松戸方面に行く人々に加えて、東京に行く人々も、運賃の高さも相まってここで乗り換えをする場合がもともと多い駅です。
今回の生活バスちばにうの採算ラインが400人/日ということですが、需要は充分にあるように見えます。
またノンストップ運行の意味として、恐らくバス運行のノウハウ面の問題で、いろいろな区間運賃や乗り降りの客さばきなどで熟練者を雇ったりトラブルを起こしたりするわけにはいかない、という面もあるのだろうと思います。下手に停車させるよりも、ノンストップで電車と遜色ない到達時間に近づけながら低料金にするというのは、恐らく得策なのではないでしょうか。
運賃が高いことが理由での代替交通手段の用意というのは世界的にもかなりレアなケースだと思うので、頑張って欲しいと思います。