人口密度が高く、土地が限られるという意味では沖縄もスモールハウスの土俵ではあると思うけれど、あまりそのようにはなっていない。これは地域特性が影響しているのだろうと思う。
沖縄が東京圏と違う点で、スモールハウスの選択肢を弱めている理由が明確な分だけでもいくつかある。
まず、沖縄の場合は一般の住宅で、平屋建てや2階建てでも圧倒的に鉄筋コンクリート造が多いのだけれど、これは台風が強烈なため、木造が適さない場合が多かったり、水資源が限られていて昔は断水が頻繁だったため、屋上にタンクを設置したりといったことが多かったからだろうと思う。
小さい住宅でRC造をすれば面積当たり費用としてはさらに高くなってくる。少なくとも、パッケージ化されたマイクロハウスを設置するにしても基礎打ち等をしっかりしないと飛んでしまう可能性があるので、どうしてもコストは余計にかかってしまう。
また、沖縄では鉄道がなく、自家用車が必須ということが多い。狭い土地があったとしても駐車場の確保も必要で、鉄道の発達した都市圏ほどの地理的自由を得られない。
しかし逆に沖縄が適している面もある。
亜熱帯気候由来の、外食文化の発達や、浴槽が不要の文化などだ。
もともと東南アジアなどの熱帯気候では凍え死ぬことがないため、外で生活する文化が強く、自宅で料理をするより外で食べる習慣が圧倒的で、沖縄もある程度はそのような面がある。
浴槽が不要であればその分のスペースは少なくとも省略することも可能となる。
恐らく、沖縄には沖縄に適したスモールハウスの姿があり得るということだろう。例えば台風対策の部分では、頑丈に作ることばかりではなく空力特性を活かした設計で対応するといった、全く違った形が適しているのかも知れない。
家のダウンサイジングに合わせて、車もミニカーやトライクにするのもいいと思う。沖縄の道路は、車の流れは比較的ゆっくりで、ミニカーやトライクでも他の地域ほど怖くないはずだ。