私はネット広告に関してはインターネットの充実のため、インターネットビジネスの成立のために必要なものとして尊重する考えを持っており、Youtubeなどで流れる動画広告に関しても基本的にはポジティブである。
しかし、許せないことはほとんど唯一、「意図せざる音声」や「意図せざる大音量」だ。
Youtubeなどの広告でも時折、大音量での入りが不快なCMがある。とはいえ、Youtube自体が基本的には音が出るコンテンツであるため、大きな問題となることは稀だろう。不快なCMでは、インターネット以前の不快なテレビCMのそれと同様の問題であって、それで広告主のイメージが悪くなるのは自業自得の問題ではある。
最悪なのはCMerTVだ。音声コンテンツが一切ないサイトに、ページを開いたら自動的に音声が流れる広告を配信している。百発百中、間違いなく「意図せざる音声」が流れるため、不快に感じる確率は圧倒的に高い。
このCMerTVのやり方は不快であることが常識であるため、日本では音声を意図的にオンにしなければ音声が流れないやり方が主流で、米国でもマウスオーバーで音声が流れるような方式が多い。
CMerTVの営業に騙されて、動画広告なので効果が高いと単純に思い込まされて出稿した広告主には気の毒なことだが、しかし自業自得ではある。
こういった不快なネット広告は、その業者や広告主がイメージを落とすのは勝手なのだが、問題は、これがきっかけでAdblockなどのインターネット広告を表示しないソフトウェアを導入するユーザーがもの凄い勢いで増えていることだ。
つまり、CMerTVのせいで、静かに善良な広告供給をしている業者やスポンサー全てが損害を被り、下手をするとネット広告業界自体が滅び、ウェブサイトの収益構造が崩壊し、インターネットコンテンツが衰退していく危険性があるということだ。
この問題はCMerTVだけでなくインターネット全体の問題となるため、インターネット広告業界を始めとしてあらゆるウェブサイト運営者や善良なスポンサー、インターネットユーザー全体でCMerTVを糾弾し、追放すべきであると私は考える。