村上龍氏の著書「13歳のハローワーク」公式サイトで、人気職業ランキングが掲載されています。今は、2014年12月のランキングになっていて、毎月更新されるようです。
http://www.13hw.com/jobapps/ranking.html
そのランキングを元にネットニュースになったりしているのだけれど、この内容を見ていくと、これってそのままランキングとして見ていいようなものじゃないんじゃないのかと思えたので、書き記しておきたいと思います。
要は、各職業名が示す内容の幅がバラバラなんですよ。
例えば、「パティシエ」が5位にありますが、類似の職業で20位「パン職人」、47位「シェフ」、95位「和菓子職人」とは同業という見方も出来るわけです。
80位「管理栄養士」と96位「栄養士」のように、同種だがレベルの違いによって分かれているものもあれば、3位「ファッションデザイナー」のような職種での区分と、36位「アパレルメーカーで働く」のような業種での区分が混在したりしているものもあります。
10位「金融業界で働く」であれば、職種としてはリテール営業やアナリストからファンドマネージャー・トレーダーやアクチュアリー・コントローラーなどまるで違うものも一緒くたに入ってくるし、逆に56位「陸上自衛隊」72位「航空自衛隊」81位「海上自衛隊」のように、職種でなく入る先の組織で分けられていたり、これは系統立てて分けられていないのが明らかなわけです。
こうした場合、どうやっても等列に比較出来ないわけですから、「なんとなくこういうページが多く見られているんだね」という以外の参考には全くならないことになります。
せめて、できればアクセス数の数字も公開するとか、生データに近い形であればまだしも参考にすることも出来るかと思いますが、これじゃあいくらなんでもゴミ情報過ぎるんじゃないかと思いますね。
以前、タウンページの営業が、「御社の業種は何ですか?」と訊いてきたので、「業種というのは、何を元にした業種を言えばいいんですか?」と訊いても相手が理解できずに埒が明かなかったことがあったのですが、普通は業種とか職種を分ける場合は、業種区分表とか職種区分表みたいなものを作った上で、それに従わないとこういうぐっちゃぐちゃなものが出来るわけです。
日経新聞だとかリクルートとか、金融庁にしても、それぞれ業種区分表を作って、それに基づいて当てはめてください、というやり方をしているので、1対1対応、業種別の株価の比較とか人気の比較とかが一応は出来るんですね。
別にこうした質の低いランキングを公開するのは勝手なんですが、それを意味もわからずニュースサイトとかで取り上げるのはちょっとどうなのかなという感じです。