大学の会計系の課題の2つ目。棚卸評価損が計上されるケースを考えて示しなさいと。
法人税法68条には以下のように書いてある。
(資産の評価損の計上ができる事実)
第68条 法第33条第2項(特定の事実が生じた場合の資産の評価損の損金算入)に規定する政令で定める事実は、物損等の事実(次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める事実であつて、当該事実が生じたことにより当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなつたものをいう。)及び法的整理の事実(更生手続における評定が行われることに準ずる特別の事実をいう。)とする。

一 棚卸資産 次に掲げる事実
イ 当該資産が災害により著しく損傷したこと。
ロ 当該資産が著しく陳腐化したこと。
ハ イ又はロに準ずる特別の事実
二 有価証券 次に掲げる事実
イ 第119条の13第1号から第3号まで(売買目的有価証券の時価評価金額)に掲げる有価証券(第119条の2第2項第2号(有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法)に掲げる株式又は出資に該当するものを除く。)の価額が著しく低下したこと。
ロ イに規定する有価証券以外の有価証券について、その有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したため、その価額が著しく低下したこと。
ハ ロに準ずる特別の事実
三 固定資産 次に掲げる事実
イ 当該資産が災害により著しく損傷したこと。
ロ 当該資産が1年以上にわたり遊休状態にあること。
ハ 当該資産がその本来の用途に使用することができないため他の用途に使用されたこと。
ニ 当該資産の所在する場所の状況が著しく変化したこと。
ホ イからニまでに準ずる特別の事実
四 繰延資産(第14条第1項第6号(繰延資産の範囲)に掲げるもののうち他の者の有する固定資産を利用するために支出されたものに限る。) 次に掲げる事実
イ その繰延資産となる費用の支出の対象となつた固定資産につき前号イからニまでに掲げる事実が生じたこと。
ロ イに準ずる特別の事実
2 内国法人の有する資産について法第33条第2項に規定する政令で定める事実が生じ、かつ、当該内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額する場合において、当該内国法人が当該評価換えをする事業年度につき同条第4項の規定の適用を受けるとき(当該事実が生じた日後に当該適用に係る次条第2項各号に定める評定が行われるときに限る。)は、当該評価換えについては、法第33条第2項の規定は、適用しない。この場合において、当該資産(同条第4項に規定する資産に該当しないものに限る。)は、同条第4項に規定する資産とみなす。
カタカナのニと漢数字の二がややこしいわ。
要は、棚卸資産については、
・災害による損傷
・陳腐化による価値の低下
・その他特別なこと
の3つの理由があると。
んで、具体的には「陳腐化」とかその「特別なこと」とは何かというと、国税庁通達により、
陳腐化とは
・季節商品の売れ残りで、過去の実績とかからして同じ値段では二度と売れないのが明らかな場合
・明らかに優れた新製品が出たせいで同じ値段では売れなくなった場合
などであると。
「特別なこと」というのは、
・破損、型崩れ、たなざらし、品質変化とか
であるということが書いてある。
逆に計上できないケースとして、
・物価変動
・過剰生産
・建値の変更
といった事実だけでは、評価損は計上できないと。
ここから具体例を考えればいいので、これはイージーじゃないですかね。
・洪水で衣類が水没してしまった
・冬の新作として入荷した衣類が、シーズンが終わって売れ残ってしまった
・ゲーム機やゲームソフトで、メーカーが希望小売価格を大幅に下げたものが発売された
・長く陳列していたものが紫外線で劣化してしまった
みたいなことですよね。これは問題なし。実務でも忘れないようにしないと。