大学で、観光におけるイノベーションについて公共レベルとビジネスレベルも含めて学んでいくことになったんですが、イノベーションって何なのかと中学生にもわかりやすいような形で明快に説明できるか、という話があって、結局出来なかったんですね。

で、一方で日経新聞さんの講義で、日経新聞は難しいと思われがちだけど、昔から記者は、中学生にもわかるように書けと常々教えられながら育ったという話がありまして。

やっぱり、わかりやすく明快に、誰にでもわかるように説明するというのは高い理解と鍛錬が必要であり、ジェネラルスキルとしてはとても大事だよなあ、と改めて思った次第です。

そんな中で、教授からも、わかりやすい説明のフレームワークを少し教えてもらったので、改めてイノベーションとは何かの説明に挑んでみたいと思います。大した話じゃないんですが。

・イノベーションとは何か一言で

イノベーションとは、従来とは異なる方法で、「価値」を生み出す、その方法を見つけること、または適用することである。
・3つのポイント-この3点を満たすものが「イノベーション」である!
1.それをやったことによって、ブレイクスルーとなり、新しいビジネスとか働き方、あるいは生活などが、「できるようになった」「できるようになる可能性が拓けた」
2.その時だけではなく、ある程度将来にわたって、また、一般的にも適用できるものである
3.その変化は、広い意味で「良い変化」である
・イノベーションのわかりやすい具体例
例えば、ファクシミリが作られ、一般に使われるようになったことはイノベーションと言える。紙に印刷した文書を、物理的に通信したい相手に届ける必要がなくなったことによって、到達時間は100倍も1000倍も速くなった。これはファクシミリの機械の製造会社は機械を販売することで利益が得られ、通信をする電話会社は通信料金から利益が得られ、将来にわたって持続可能である。
・じゃあ逆にイノベーションではないもの
例えば、大富豪が世界の恵まれない人々を救うために10兆円を投じて食料やワクチンの支援をして、何千万人もの人々の命が救われました、とすると、この成果も影響も極めて大きなものではあるが、イノベーションとは呼べない。
  
・偉い人は何と言っているのか 
イノベーションは、あのシュンペーターが初めて定義したらしい。
それによると、イノベーションとは「経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合すること」である
イノベーションは5つのタイプに分けられるということで、以下の形を挙げています。
・新しい財貨すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産
・新しい生産方法の導入
・新しい販路の開拓
・原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
・新しい組織の実現
100年以上前の定義であり、コンピューターもなければグローバリゼーションの流れもない頃の定義ですから、そのまま考えていいというわけではないですが、基本的な考え方は変わるものではないと思います。
というわけで、ここから私は、社会に価値を生み出すにはどうしたらいいのかを考える足がかりを得たと思います。死の海に放り投げられ続けているアイデアをどうするか、ちゃんと考えていくようにしたいと思います。