マイクロソフトやグーグルのような世界のトップを走る企業群は、とてもリッチで洗練されたシステムを構築していて、凄いなあ、と思うのだけれど、彼らは彼らで、ライバルにやられそうになりながら生き残るために必死にやった結果、大変な社内改革などを経て今の状況があるわけです。

一方で、この5~20年くらいの間に素晴らしいビジネスモデルや商品をもって起業されたたくさんの企業のうち、IoTやクラウドを十分に活用できておらず、また改革をする必要性を甘く見ていたり、そのエネルギーがない企業たちは、その素晴らしいアイデアが陳腐化したときにIoTやクラウドを活用できているニューカマーに簡単に負けてしまうのが目に見えています。時間と空間の利用効率が圧倒的に違うからです。
スタートアップで新しく組織をつくり、IoTとクラウドを前提として行動することが可能な新規参入者は、後発でありながらコストが低く、生産性も高い可能性がある、というのが今の時代、そしてこれからの時代に起きてくることなのです。
社内のワークフローで紙の稟議書を回す会社、会議資料作成に何時間もかけて、コピーを製本して配布する会社、履歴書をメールで受け取らなかったり、手書きでないと落とす会社。こういった会社は、少なくともそういったことが悪いことであると認識していないようであれば、どう見ても負ける会社です。後から参入してきた、全く同じ事業を行う会社に勝てません。
逆に言えば、今の日本の状況というのは、ほとんどの業種でITリテラシーが高い人間にとっては新規参入のチャンスがあるという極めて特異な状態にあると思っています。しかしあと10年ぐらい経ってもう少しこのクラウド革命の時代が成熟すると、なんとか生き残った既存の企業もほとんどがIoTやクラウドを活用するようになっていると思います。IoTとクラウドをフル活用して経営できそうな人は、そうなる前に起業すれば結構、勝算が立つのではないでしょうか?