沖縄そばとジューシーの組み合わせは沖縄でポピュラーですが、どう見ても炭水化物過多の感じがします。沖縄料理というイメージでなんとなく許されてしまっている面があるような気がします。
沖縄の凋落と、男性の早死に
6月27日発売の週刊東洋経済の「健康格差」特集の中で、沖縄県民が急激に健康を損なっているということが言及されています。
1985年には男女とも全国トップだった平均寿命は、平成25年には男性が30位、女性が3位と後退し、今後女性はさらに順位が下がるのが確実とも言われています。
決して平均寿命が縮んでいるわけではないので、他の都道府県の平均寿命が延びて追いぬかれたということではあるのですが、明らかな悪い要素があるようです。東洋経済の記事では沖縄の35~59歳の死亡率が全国平均に比べて非常に高いということが書かれています。
心筋梗塞、脳血管疾患、肝疾患、自殺などが全国に比較して高い傾向があり、肥満は全国ワーストクラスで、2012年調査で女性がワースト1、男性はワースト2ということです。県民所得の低さと所得格差も指摘されていて、貧困が病気やアルコール、自殺などを誘発していることが読み取れます。
根本的な改善は、貧困問題へ向き合うことから
平均寿命自体は数字が少し動いているだけにすぎないのですが、健康を損なうことは人の幸福を損なうことに他なりません。貧困が不健康、病気、短命につながっているということであれば、「貧しくてもそれなりにやっているよ」というのは単なる強がりにすぎないことです。
沖縄の労働者は、収入は低く、休みも少なく、生活にゆとりがない人が非常に多いです。経済全体としては脆弱で所得が低いにもかかわらず、単価の高い消費をする観光客や米軍関係者が物価を押し上げています。大部分を県外からの「輸入」に頼る食料品は全体的に価格が高い状況で、工業製品も輸送コストが価格を上げています。
食堂では冒頭のようなとにかくボリューム重視の炭水化物たっぷりのメニューが食べられており、コンビニや弁当屋では大盛りのごはんに揚げ物と炒め者が入った安くて高カロリーのお弁当が人気があります。
健康的な野菜や肉料理は値段が高くなかなか手が伸びず、米や小麦と油、砂糖の比率が高くなっているのが現状だと思います。健康な食生活には経済的なゆとりはどうしても必要です。
また、貧困と時間的な余裕のなさはストレスや運動不足へとつながります。結果として企業も生産性が上がらず、給料は低いままと、負の連鎖が起こっていると思われます。
とはいえ、沖縄県民自身がこうした状況に追い込まれているということを認識した上で、抜けだそうという考えさえ持てれば、短期間で改善できるのではないかと思います。
沖縄の姿は未来の日本の姿?
沖縄は長寿日本一から急激に転落しましたが、その背景には貧困がありました。
そうなると、現在長寿世界一である日本は、その経済的衰退が目に見えてきている今、一気に転落への道をたどると考えるのは自然なことでしょう。非正規労働者の増加、所得の低下、労働の長時間化といった要素に対して真摯に向き合わなければ、国民の健康は失われてしまうと考えられます。
沖縄も、そして日本全体も、経済的に豊かになり、人々が時間的にもゆとりを持てる社会を強く目指していかなければいけません。経済成長は、我々の幸せに必要不可欠なことなのではないでしょうか。