「データ・ドリブン・マーケティング」(マーク・ジェフリー著)という書籍が、ジェフ・ベゾス氏の愛読書でありアマゾン社員の教科書となっているとして宣伝され、今後の企業のマーケティングのスタンダードとなりそうな内容になっています。

この本の中で、2割の成功企業はデータドリブンマーケティングを有効活用して成功しており、8割のその他の企業と大きな「マーケティング格差」ができていると書かれています。この本を読んで内容を実践すればその格差は埋められると著者は記しています。

しかし、その先にあるのはさらに深刻なマーケティング格差ではないかと思います。Excelを活用したデータドリブンマーケティングが普及し、8割の企業が実践できたとすれば、残りの2割の企業はより厳しい状況に置かれるはずです。それが世の中全体として見れば悪いことであるとは思いませんが。

中小企業にはITリテラシーが非常に低い企業も多く、そういった企業はこの本に書かれたわかりやすいデータドリブンマーケティングを実践することはできません。今でもかなり深刻である「IT格差」のようなものが、さらに激しくなっていくことになるでしょう。

それを解決するような、よりわかりやすいコモディティブなツールが生まれれば良いのかもしれません。セールスフォースなどのSFAシステムすら中小企業には導入のハードルは高く、Excelを活用するには能力が足りないという状況ですから、もっとわかりやすく、費用も低く、スマホなどで簡単にデータドリブンマーケティングができるようなツールが出れば本当に世の中全体のマーケティング格差がなくなっていくという気がします。