5年以上前に、北方領土は2.5島返還での早期決着がいいと思う と書いたのですが、その記事へのアクセスが最近増えてきています。
平和条約締結後の歯舞群島・色丹島の2島返還という、1956年の日ソ共同宣言を軸とした交渉が加速しつつあることで再び北方領土問題への関心が急激に高まっているということだと思います。
しかし5年以上経てば状況も変わるもので、現在2島以上の返還については絶望的な状況と言って良いでしょう。
インターネット等で情報リテラシーが高まるに従って、北方4島の主権は日本のものであるというのはあくまで日本政府の立場であり、国際的な真実ではないということが広まってきているように感じます。
一方でロシア側でも水面下ではプーチン政権も永久に続くものではないという感覚になってきていて、一存で簡単に2島以上の返還をゴリ押しできる状況でもなくなってきています。
そこで現在双方にとってメリットがある落とし所がどこにあるかというのが、”1.2島返還”です。これは歯舞群島と国後島南部にある東沸湖以南の返還という案です。日ソ共同宣言にある色丹島と国後島南部を交換するといった形になります。
これによって、北海道東部の漁業問題の解決、国後島の温泉などを活用した振興、国後島上の国境を活用した経済・文化交流等を実現でき、ロシア側としては色丹島に住む2,000人余りの帰属や施設などをどうするかといった問題を軽減することができます。
日本側としてはあまりに北海道に近い国後島と歯舞群島のほうが色丹島よりも重要なのではないでしょうか?ロシア側からすれば経済水域の大方を確保でき、ロシア国民としても納得ではないでしょうか。